「争い(争奪・戦争)を引き起こす石油と原子力から平和を生み出す太陽光などの自然エネルギーへシフトしよう」という飯田哲也氏の呼びかけが心に残った。スペインにおける「太陽光バブル」問題やアメリカ合衆国における「バイオマスエネルギーバブル」は,平和の所産なのだろうか。また,自然エネルギー先進国とされるドイツにおけるエネルギー供給は100%自国産ではなく,フランス等からの輸入がないと供給量が確保できないと言われている。EU全体で見た場合のドイツの脱原発の影響がどの程度なのか考察なしに,評価するのは難しいように思われる。こうしたことを考慮すると,個人的には「平和を生み出す太陽光などの自然エネルギー」という意見に私は同意しかねる。
私は,自然エネルギー発電による供給割合を増やす必要はあると考えるが,現状では原発の代替技術にはなり得ないと考える。原発を廃止するのであれば,現状では火力発電の割合が増加するのはやむを得ないと考える。そうなると,京都議定書の第一約束期間の目標達成は無理だろうが,それはやむを得ないと考える。地球温暖化対策は必要だが,福島第一原発事故以前と以後では,同一基準で議論することは無理だと考える。
決して土に還元しないプラスチック、決して土に帰らない合成物質(ダイオキシン・PCB・プルトニウム・・・)。かつてはあらゆる物質が、自然環境と物質文化環境との間で生成と消滅のサイクルを形成していた。「ダイオキシン・PCB・プルトニウム」は「決して土に帰らない合成物質」ではなく,生分解性が悪いあるいは半減期が長いため問題となっている。ちなみに,ダイオキシン類は燃焼によって発生するため,おそらく人類誕生以前から地球上に存在していたものと思われる。プルトニウムも,微量ながら自然発生するらしい。これらの物質のリスク管理はしっかり行われるべきだが,科学的に誤った認識は改めていただきたい。この文章は,五十嵐彰氏が『石器文化研究』第6号に発表した文章の一部とのこと。『石器文化研究』は石器文化研究会の刊行物であり,考古学という科学分野,特に旧石器考古学分野の専門誌と私は認識している。科学的議論を行う誌上において,科学的に誤った主張を行うのは如何なものか。
テレビや新聞に頻繁に登場する専門家・研究者たちが関連組織からどれほどの資金供与を受けていたかなどが明らかにされつつある。問題なのは,「資金供与」という行為そのものではなく,原発に対してどのように発言したかどの程度影響したか,だろう。「資金供与」に科研費が含まれるか不明だが,仮に含まれるとすると,いわゆる「熊取六人衆」のうち,小出裕章氏以外は科研費を受けている。科研費は原子力分野以外,たとえば考古学分野でも受けている研究者は複数いるわけだが,そうした研究者たちは,科研費の出所の国の意向に沿った成果報告をしているのだろうか。素朴な疑問は尽きない。
一人一人の問題意識を高め、持続させることが欠かせない。前半の意見には私も同意する。なお,自分たちの立場に都合の悪い情報でも,事実であればきちんと受け入れることのできるリテラシーを持つことも併せて必要だろう。
日本という国に、本当の意味での「民主主義」が根付くかどうかが問われている
後半について,私は,「ピースボート」や「グリーンピース・ジャパン」が,「本当の意味での「民主主義」」に基づく活動をしているとは思えない。
