2013年07月27日

冷凍フルーツで,A型肝炎の食中毒アウトブレイク

国立医薬品食品衛生研究所「食品安全情報(微生物)No.15/2013(2013.07.24)」(pdfファイル,約720KB)によると,最近,欧米で冷凍フルーツ(冷凍ベリー製品,冷凍ベリー・ザクロ混合製品)が原因と見られるA型肝炎の食中毒アウトブレイクが発生している。
国立感染症研究所の感染症の話◆A型肝炎によると,日本でも以前は多く見られたようだが,衛生環境の向上により,現在はあまり問題となっていない。一方,世界的には,感染リスクが中程度以上の国がほとんどであるらしい。(参照:A型肝炎厚労省検疫所
国立感染症研究所の情報によると,A型肝炎ウイルスは,酸耐性で熱や乾燥などにも強く,高圧滅菌,UV照射,ホルマリン処理,塩素剤処理などで失活する。
冒頭の食品安全情報によると,アイルランド食品安全局(FSAI)の情報では,A型肝炎対策として,全ての輸入冷凍ベリー類を喫食前に最低1分間煮沸するよう,また,生鮮ベリー類やその他の果物・野菜類を加熱せずに喫食する場合は,事前に洗浄するよう注意を促している。
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コメのヒ素による健康リスク発覚

国立医薬品食品衛生研究所「食品安全情報(化学物質)No.15/2013(2013.07.24)」(pdfファイル,約540KB)から引用。
・ コメのヒ素による健康リスク発覚
Health risks from arsenic in rice exposed
22-Jul-2013
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2013-07/uom-hrf072213.php
 新しい研究によると、コメに含まれる高濃度のヒ素はヒトの遺伝的傷害と関連する。
 ここ数年、研究者らは世界中のコメ生産地域でヒ素濃度の高さを報告してきた。今回マンチェスター大学の科学者がコルタカのインド生物化学研究所の科学者と協力して、高濃度のヒ素を含むコメと、主食としてコメを食べている人の尿路上皮の小核で測定した染色体傷害の関連を証明した。西ベンガルの0.2mg/kg 以上のヒ素を含むコメ(調理後の濃度)を主食とする人々は、これより低い濃度のコメを食べる人々より小核の頻度が高かった。
本研究結果は、Scientific Reportsに報告された。
 *High arsenic in rice is associated with elevated genotoxic effects in humans
 M. Banerje et al.Scientific Reports, open access
 http://www.nature.com/srep/2013/130722/srep02195/full/srep02195.html

コメのヒ素については,次のリポートも参照。
ヒ素に関する第72回JECFA報告と農業環境技術研究所の研究
((独)農業環境技術研究所,農業と環境No.123(2010年7月1日))
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抗酸化物質・・過ぎたるはなお及ばざるがごとし?

国立医薬品食品衛生研究所「食品安全情報(化学物質)No.15/2013(2013.07.24)」(pdfファイル,約540KB)から引用。
・ 抗酸化物質・・過ぎたるはなお及ばざるがごとし?
Antioxidants -- too much of a good thing?
21-Jul-2013
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2013-07/w-at071913.php
 The Journal of Physiology に2013年7月22日発表された研究によれば、レスベラトロールは高齢男性において運動による多くの心血管系へのメリットを阻害する。
 レスベラトロールは、アンチエイジング化合物の可能性があるとして注目され、サプリメントとして販売されるとともに、赤ワインやその他の食品の健康上のメリットとされている。しかし、コペンハーゲン大学の新しい研究によると、抗酸化物質の多い食事は実際には運動による血圧やコレステロールの低下などの多くの健康上のメリットを打ち消す可能性がある。
 27人の健康な、あまり運動しない65歳前後の男性に8週間、毎日激しい運動と250mgのレスベラトロールあるいはプラセボをとってもらった。研究は二重盲検で行った。その結果、運動は心血管系の健康に関するパラメータを極めて効果的に改善したが、レスベラトロール群ではその影響が血圧、血中脂質濃度、最大酸素取り込み量などのいくつかのパラメーターで減少していた。

抗酸化物質については,本blogで何度も取り上げており,多くは述べない。
ただ一言,健康の基本は食生活の場合,バランスの取れた食事である。
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2013年07月17日

地方自治にSPS協定の理解は不要?

Food Watch Japanでは,国立医薬品食品衛生研究所安全情報部が定期的(概ね月2回)に発表している食品安全情報紹介しており,ものぐさな私は,Food Watch Japanで紹介される目次をチェックして,関心を持ったレビューを中心にチェックしている。
2013年7月10日発表の食品安全情報(化学物質)No.14(pdfファイル,461KB)から,一部引用する。
1.WHO 紀要
Bulletin of the World Health Organization Volume 91, Number 7, July 2013, 465-544
http://www.who.int/bulletin/volumes/91/7/en/index.html
(一部抜粋)
エディトリアル
・消費者の健康を守るために食品の安全と栄養保障を確保する:コーデックス委員会の50年
Ensuring food safety and nutrition security to protect consumer health: 50 years of the Codex Alimentarius Commission Angelika Tritscher, Kazuaki Miyagishima, Chizuru Nishida & Francesco Branca Bulletin of the World Health Organization 2013;91:468-468A
 貿易のグローバル化は、ある場所で生産された食品が他の場所に住む人々の健康や食事に影響を与える機会をも増加させる。その結果、グローバルな食品安全及び栄養対策が、エビデンスに基づく国際基準のもと、国境、機関、部門を超えて適用されることが以前にも増して重要になっている。1963年以降、コーデックス委員会は、加盟国及び世界全体の食品安全及び栄養を改善するための多数の規格基準を設定し、ガイダンスを提供してきた。
 186ケ国(うち1つはEU)が加盟するコーデックス委員会は、国連食糧農業機関(FAO)及び世界保健機関(WHO)が設置している。国際的な食品安全及び栄養の規格基準に加えて、ガイドラインや実施規範も作成し、消費者の健康保護だけでなく平等な食品貿易を確保するためのものとなっている。その分野は多岐にわたり、バイオテクノロジー、農薬、病原体、添加物、汚染物質、食品表示、栄養参照量などである。1995年にWTO/SPS協定(Application of Sanitary and Phytosanitary Measures:衛生と植物防疫のための措置)が、加盟国に対し、自国の規制をコーデックス規格にハーモナイズするよう呼びかけたため、その後はコーデックス規格が食品安全の国際基準となっている。
 コーデックス規格は時には“貿易の基準”として捉えられているが、その主要目的は国際的に取引される食品の安全及び栄養学的品質を確保することによる消費者の健康保護である。食品媒介及び水媒介の下痢性疾患により推定で年間220万人が死亡し、その多くは子どもであり、有害となる量の化学物質を含む食品ががんなどの深刻な健康問題を引き起こしている。カロリーの過剰摂取は肥満の原因となり、糖尿病、冠動脈心疾患、がん、高血圧及び脳卒中などを誘発する可能性がある。一方、食糧不足、ビタミン及びミネラルの欠乏が、多数の死亡と身体障害をもたらしている。慢性的な低栄養のマーカーである成長障害は5才以下の子ども1億6500万人でみられ、この年齢群の全死亡の35%は低栄養に関連すると推定されている。食品媒介疾患及び栄養失調は、ヒトの健康及び生産性だけでなく、国の持続的発展の可能性をも弱体化させる。
 コーデックス委員会は50年を祝す。長年にわたり、コーデックス委員会はより包括的なものとなってきた。報告及び優先順位付けの手続きについては、公開性、透明性及び的確性が改善されている。それにもかかわらず、貿易や人の移動は急激に変化しており、新しい状況に迅速に対応できるようにする国際基準/システムの設置が呼びかけられている。それを成し遂げる1つの方法が、現代の情報技術の利用である。各国のCodex contact point(CCP)の強力なサポートが必要なだけでなく、公衆衛生における食品安全及び栄養の重要性についての、より高い政治的な意欲と認識も同等に必要である。貿易、栄養及び食品安全は非常に密接に関係し合っているため、異なる部門間のより密接な協力と、コーデックス委員会と他の国際的な機関のより強固な関係が必須である。

このレビューについて,国立医薬品食品衛生研究所安全情報部が次のように解説している。
 *ポイント: TPP加盟を受けて、食品に関連する規格基準が他国と日本では異なるために食品の安全性が脅かされるのではないかとの指摘があります。そのような議論をするにあたり、必ず押さえておかなければならないのが、この「コーデックス委員会」の存在と、そこで設定された「コーデックス規格」がWTO/SPS協定が示す国際基準に相当するということです。
 WTO(世界貿易機関)は国際貿易ルールを策定している政府間組織です。その中で食品安全と関係するルールであるSPS協定では、加盟国が自国での基準を定めるときに国際的な基準や指針、勧告がある場合には、それらを使用すべきということが決められています。その国際基準の1つがコーデックス規格です。ただし、加盟国が独自の基準を定めることも認めています。しかしながら、その場合には必ず「科学的根拠」に基づいていなければならず、もし自国の基準をコーデックス規格よりも厳しくしようとする場合には、なぜ自分達の国は厳しくしなければならないのか科学的データを示して国際的に認められるような根拠やリスク評価結果を示す必要があります。

上記の解説にあるようなSPS協定の役割について,地方自治体では,きちんと理解されているとは言いがたい。自治体職員が会議の場などで,「TPP加盟によって日本の食の安全が脅かされる」といった趣旨の発言をしている光景が,近ごろ度々あるようだ。農業関係事務所の管理職でも,こうした発言をしているらしい。
少なくとも農業系職員の一部は,「SPS協定」や「TBT協定」という用語さえ知らない。食品衛生に関わる情報は,農業分野の施策にも密接な関係があると思うのだが,彼らにはそうした自覚がないようだ。
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2013年07月15日

東日本大震災復興と農産物等の健康機能性

食品安全情報blog2012年4月6日レビューから引用。
ACSHは,米国保健科学協議会の略称
・ 酸化せよ!

ACSH

Oxidize this!

April 4, 2012

http://www.acsh.org/factsfears/newsid.3519/news_detail.asp

 10年以上にわたってアメリカの消費者は何十もの抗酸化物質の健康影響とやらを賞賛する宣伝に曝されてきた。典型的な宣伝文句はこれらの化合物ががんの原因となるかもしれないフリーラジカルから守る、細胞傷害を予防して加齢を遅らせる、といったものである。ACSHのRuth Kava博士が言うように「これらの魔法の化合物の多くはビタミン類なので、人々はたとえそれに抗酸化物質としての効果が無くても摂りすぎによる害はないだろうと見なしている。」

 しかし多くの人々が信じているのとは違って、抗酸化物質の健康影響は科学的研究によりきちんと検証されていない。

 今年初めのIFTの健康会議で、平均的消費者は抗酸化物物質とは何でどんな働きがあるのかほとんど知らないことが示唆された。会議に参加した8人に抗酸化物質が何をしているのかを質問したところ回答欄はほとんど空白だった。一人は抗酸化物質がばい菌を殺すとすら思っていた(注:逆。ラジカルのほうが菌を殺すのに必要)。ACSHのJosh Bloom博士は「消費者のうちフリーラジカルが何かわかっていてそれから守ろうとしているヒトはほとんどいないのだろう。そして多くのフリーラジカルが人体にとって必須の生化学反応に必要であることも知らないのだろう。抗酸化物質の最も重要な役割は、実は、製品を販売するためのマーケティングツールとして、である」

 コロンビア大学医学センターの医療栄養学部門長Dr. David Seresは「ビタミンや栄養素だから有害ではないという思いこみは真実にはほど遠い。適切な無作為試験で調べると多くの抗酸化物質は実際には役に立つより害の方が大きいことが証明されている。例えばビタミンEサプリメントを摂ると前立腺がんになりやすく、ビタミンCは喫煙者の肺がん増加と関連する。現在の法律は栄養学が未開拓時代の時にできたもので、これらの物質はもっと適切に規制されるべきだ。」

食品安全情報blog2012年6月18日レビューから引用。
■[USDA]特定食品の酸素ラジカル吸収能(ORAC)、第2 版(2010)Add Stary-wood

Oxygen Radical Absorbance Capacity (ORAC) of Selected Foods, Release 2 (2010)

Last Modified: 05/16/2012

http://www.ars.usda.gov/services/docs.htm?docid=15866

 最近USDAの栄養データラボ(NDL)は、ポリフェノールを含む特定の生理活性化合物のヒト健康影響に抗酸化能を示す指標が関係ないことを示す根拠が増加したため、USDAのORACデータベースをNDLのウェブサイトから取り下げた。

 理論的にがんや冠動脈疾患、アルツハイマー病や糖尿病などの各種慢性疾患を予防したり改善したりするのに役立つと考えられている生理活性化合物がたくさんある。しかしながらその代謝経路が完全に理解されたわけではなく、まだ不明ながら抗酸化によらないメカニズムも関与している可能性がある。ORAC値は食品やサプリメント業者によって製品の宣伝に常に誤用されてきた。

 食品の抗酸化能を測定する試みとしてORACを含む多数の化学分析技術が開発されてきた。ORACはある化合物によるペルオキシラジカル誘発性酸化阻害の程度を調べるものである。これはTolorox相当量としての量を測定し、阻害時間と阻害の程度を含む。ORACのいくつかの新しい方法では別の物質を使っていて各種測定法による結果は比較できない。さらに第二鉄イオン還元抗酸化力(FRAP)やTrolox相当抗酸化能(TEAC)測定法などの他の測定方法では異なるラジカルや酸化物を利用しており直接比較できない様々な値を出す。

 ポリフェノールをたくさん含む食品の健康への良い影響が抗酸化能によるという根拠はない。In vitroで測定される食品の抗酸化能はin vivo(ヒト)には適用できず、食事中抗酸化物質の影響を調べたヒト臨床試験の結果は一貫しない。我々は今や、食品の抗酸化分子には幅広い機能がありその多くがフリーラジカルの吸収能力とは関係ないことを知っている。

 従ってこのウェブサイトで提供していたORACテーブルは取り下げた。

 (抗酸化力がどうこうという宣伝は根拠がない、とEFSAに続き米国も公式に認めた。さて日本はどうするかな。)

食品安全情報blog2012年9月6日レビューから引用。
カリフォルニア大学バークレー校Wellness Letter。
ORAC: 誇大評価された抗酸化宣伝Add Stary-wood

Wellness Letter

ORAC: Over-Rated Antioxidant Claims

October 2012

http://www.wellnessletter.com/ucberkeley/feature/orac-over-rated-antioxidant-claims/

 25年前、「抗酸化物質」という単語は一般の人々には目新しかった。今日それはビッグビジネスになり、抗酸化に関連する宣伝をしている製品の販売は2011年米国で650億ドルにも上る。ダイエタリーサプリメントの宣伝だけではなく、ジュースやシリアルやお茶やチョコレート、さらにはボトル入りの水にまで抗酸化の宣伝文句を見つけることができるだろう。「抗酸化物質」-細胞に傷害を与えるフリーラジカルを取り除くのに役立つ物質-は健康増進や病気予防と同義語になった。

 企業にとってより最近の流行は特定の抗酸化物質の量や「スコア」を宣伝したり、他の製品と比較したりすることである。たとえばSilver Palateの新しいシリアルは100gあたり7,300 ORACユニットであると自慢し、Mystic Harvestのパープルコーントルティーヤチップスは6000 ORACユニットと表示している。ORACは酸素ラジカル吸収能oxygen radical absorbance capacityの意味で、科学者が開発した抗酸化状態を測定するためのいくつかの指標のうちの一つである。オートミールやヨーグルトにバオバブの実の粉末を加えるとORACは1gあたり1400となる。Green Cell Technologiesの茶抽出物は100gあたり170万のORACスコアを持つ。

 これらの数字の意味を説明するのは難しい。しかし多分数が大きいことが健康に良いという意味ではない。抗酸化物質の意味についての科学は包装が伝える単純な数よりはるかに複雑である。FDAはリプトンやその他の企業に対して抗酸化物質について誤解を招く違法な宣伝をしないよう警告文書を送付した。しかし他に同類のものが網を逃れている。

 表示で主張されているのとは違って、抗酸化状態を測定する標準法は存在しないし抗酸化能力についての公式な定義もない。科学者が開発したいろいろな試験法にはORACの他にTEAC、TOSC、FRAP、TRAPなどがある。これらは必ずしも同じものを測定していないし一致した結果も出さない。同じ検査を行っていても実験室が違うと違う結果になる。一部の企業はORACを表示しているがどうやって測定したかについては記していない。

 さらにORACやその他の検査値は試験管内のみでの結果である。人体での作用は異なるだろう。

 CFIAはウェブサイトで「ORACとヒト健康影響の関連についてはわかっていないので、食品にORACについて宣伝したりすることは認められない」と注記している。同様の懸念からUSDAは最近ORACデータベースをウェブから除去し、「ORACは食品やサプリメント企業によって製品の宣伝のために常に誤用されてきた」と言っている。専門家の中には食品や飲料表示へのこのような用語の使用はすべて禁止すべきだと考えている人もいる。

 抗酸化宣伝を無視すべきさらなる理由

 ・抗酸化の数値の意味がわからない。たとえばORAC 3700は多いのか少ないのか2900は2400よりいいのか誰が知っているのか?

 ・抗酸化宣伝をしていない製品でも同じくらいであろう

 ・しばしば宣伝は添加した抗酸化ビタミンなどのせいである

 ・他の食品との比較は誤解を招くものが多い

 ・特定の一つの抗酸化物質だけ比べるのは誤解を招く。

 基本は抗酸化を謳う宣伝は購入の才の参考にしないこと。抗酸化サプリメントは必要ない場合が多いし、摂りすぎは有害であるかもしれない。色とりどりの野菜や果物を摂るのがよい。米国食事ガイドラインに従えばたくさんの抗酸化物質を摂れるだろう。

一方,本blogで以前,「震災復興をダシにしたと思われる農水省事業」として取り上げた農水省事業の平成24年度成果発表会(2013年6月25日宮城県仙台市で開催)資料がウェブ上で公開されている。
その資料(pdfファイル約9MB,8-9ページ)から一部引用する。
1研究の背景・課題
・ 被災地の復興にあたっては、生産設備等の再建のみならず、生産される農産物の高付加価値化を考慮するべきであり、そのための重要なファクターの一つに農産物等の健康機能性が上げられる。
・ 野菜の健康機能性に関しては、科学的根拠が少なく、その知見の集積が求められている。

2研究の目標
宮城県の施設栽培農産物の高付加価値化を目的として、宮城県が生産地域となりうる野菜・果物についての健康機能性研究(抗酸化能、糖尿病予防作用、眼疾患予防作用)と機能性成分等を高めた野菜・果物の生産方法の実証研究を進める。

3研究の内容
・ 抗糖尿病アディポネクチン様作用を発揮するオスモチンの定量法を確立し、果菜類での含有量変動を明らかにし、マウスを用いた糖尿病予防作用メカニズムの解明を行う。
・ ホウレンソウに含まれるルテイン量の栽培条件による変動調査を行うとともに、ヒト生体内のルテイン量の測定を行い、マウスを用いたルテイン投与による眼疾患予防研究を行う。
・ イチゴ、ナス科野菜、ホウレンソウなど野菜等の品種・系統、あるいは栽培条件等による抗酸化能値の変動や抗酸化能を示す成分の同定などを通じて健康機能性を明らかにし、野菜の高付加価値化を図る。

4研究成果概要
・ 抗オスモチン抗体(抗糖尿病)を作製し、ELISA法によるオスモチン測定法を開発して、ナス科野菜中のオスモチン含有量を測定したところ、トマト>ナス>ピーマンの順に高く、塩ストレス(0.5%NaCl)をかけたトマトは通常栽培のトマトの1.5倍のオスモチンを含有していた(表1)。
・ 寒締め栽培により、ホウレンソウ中のルテインを含むカロテノイド類(約20%増)(図1)やポリフェノール(約2倍増)が増加した。蔗糖、ビタミンCも増加したが、マイナス要因である硝酸やシュウ酸に増加は認められなかった。
・ 宮城県特産あるいは宮城県を主産地とする野菜の抗酸化能(新鮮重100gあたりのH-ORAC値)を測定したところ、せり、みつば、ナス、春菊において3000mmolTEを超える高い値を示した(図2)。同一品目における産地間差はあまり無かったが、収穫期の遅い方が抗酸化能が高くなる傾向が認められた。

これが,東日本大震災の農業分野における復興支援として行われている農水省事業の一部である。私の考えは,以前のエントリーで述べているので繰り返さない。前半に食品安全情報blogから引用した3つのレビューと農水省事業平成24年度成果発表会資料をじっくり読み比べていただきたい。

なお,以前のエントリーに,この農水省事業と東大及び慶応大医学部との関わりについて確認できなかった旨の追記を掲載したが,平成24年度発表会資料を見ると,参画研究機関の中に,両大学が掲載されていた。
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