2014年03月30日

中西準子氏「原発事故と放射線のリスク学」

先ごろ,中西準子氏の新刊,「原発事故と放射線のリスク学」(日本評論社)が刊行された。
刊行後すぐに購入し,一気読みした。

本書のエッセンスは中西氏のウェブサイトでも触れられているが,本書では,それらをまとめて詳しく解説されている。
私が受ける最後の試験“福島”と表現されているように,今までの著書以上に中西氏が強い想い(覚悟)が詰まった1冊との印象を受けた。
私は今まで,放射線被曝に関する書籍を自分なりの視点で選んで数冊読んできたが,中西氏が本書のまえがき(pdfファイル212KB)で原発事故による影響に関する本は,相当数出版されています。しかし,類書はないです。と述べられているように,今までどの研究者・行政機関も触れてこなかった,あるいはオブラートに包む可能ような物言いで述べてきたことが,はっきりと述べられている。

本書を読んでの私なりの感想を述べようと思ったが,安井至氏が自身のウェブサイトで的確な書評をUPしているので,そちらを参照していただきたい。安井氏が取り上げている部分は,いずれも私が強い関心を持った部分でもある。おそらく私は,本書を安井氏ほどきちんとは理解できていないと思っているが,安井氏の書評を読んで,私の本書に対する理解もあながち間違ってはいないと感じた。

なお,安井氏など数氏の書評に対する中西氏のリコメントが,中西氏のウェブサイトにUPされている。本書と併せて是非読んでいただきたい。


本書は,福島第一原発事故による放射線被曝問題について,「ファクト」に基づく解析を実施し,「リスク学」の視点から具体的な提案を行った,おそらく現時点で最良の1冊である。
長い研究人生を歩まれてきた中西準子氏が,今また難問に精力的に取り組まれている姿に,只々頭が下がる思いである。
posted by itoh at 09:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 環境,食品,農業 | 更新情報をチェックする