2018年11月23日

球磨焼酎(2)

球磨焼酎は現在28(26+1+1)の蔵元があるが,昔は30以上の蔵元があった。

球磨焼酎は,1995年にWTOトリプス協定で”地理的表示の産地指定”を受けたブランドの1つ。
球磨焼酎と謳えるのは,「米のみを原料として,球磨郡又は人吉市の地下水で仕込んだもろみを球磨郡又は人吉市で単式蒸留し,瓶詰めしたもの」という定義に基づいて製造された焼酎のみ。

日本で焼酎が作られるようになった時期ははっきりとは分からないが,文字資料から少なくとも16世紀後半まで遡る。
焼酎が作られるようになる前は,九州でも日本酒が主たるアルコール飲料だったのではないかと思われる。
ちなみに,九州でも,福岡市とその周辺,熊本市とその周辺の2地域は日本酒文化圏。

球磨焼酎は米を原料とした焼酎なので,人によっては,同じく米が原料の蒸留酒である泡盛と味が近いと感じるらしい。泡盛はタイ米(インディカ米),球磨焼酎はジャポニカ米を原料とする。

私の好みでお勧め蔵元&銘柄を挙げると,木下醸造所「文蔵原酒」,林酒造場「ごくらく原酒」,繊月酒造「川辺」。
焼酎を飲み慣れないのであれば,減圧蒸留銘柄が無難だが,私のお勧めはやはり常圧蒸留&甕貯蔵銘柄。「文蔵原酒」「ごくらく原酒」は常圧蒸留&甕貯蔵,「川辺」は減圧蒸留&甕貯蔵。
球磨焼酎「全蔵物語」という,ミニボトル(約100mL/1瓶)で全蔵元の代表銘柄を網羅した限定商品がある。在庫を持っているショップを探すのが難しくなっているようだが,もし見つけることができれば購入をお勧めする。球磨焼酎「全蔵物語」で自分の好みに合った蔵元を見つけ,その蔵元の銘柄を試して欲しい。

球磨焼酎の蔵元の1つ松の泉酒造は,内村光良氏(ウッチャン)の親類。内村光良氏の実家って,たしか人吉市で酒屋やってたと思う。それと,セブンイレブンなどでよくみかける六調子酒造(球磨焼酎の蔵元の1つ)の「六調子」のラベルは,人間国宝でもある故芹沢銈介氏によるもの。私の尊敬する旧石器文化研究で有名な故芹沢長介氏は,故芹沢銈介氏のご子息。

現存する蔵元のうち,6蔵元は江戸時代創業。私のお勧め蔵元に挙げた木下醸造所もその一つで文久2年(1862年)創業。銘柄名にも使用されている創業者の文蔵は,球磨郡に伝わる民謡「六調子」に,「多良木じゃ文蔵じい(爺)」と出てくるくらい有名だったらしい。他の5蔵元は,松下醸造場(文化元年,1804年),宮元酒造場(文化7年,1810年),深野酒造(文政6年,1823年),鳥飼酒造(口承では慶長以前),林酒造場(江戸時代中期)。
posted by itoh at 12:28| Comment(0) | favorite | 更新情報をチェックする