2009年09月15日

有機JAS,特別栽培農産物及びエコファーマーについてのメモ

1 各制度の趣旨
(1) 有機農産物の農林規格
第2条(1) 農業の自然循環機能の維持増進を図るため,化学的に合成された肥料及び農薬の使用を避けることを基本として,土壌の性質に由来する農地の生産力を発揮させるとともに,農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した栽培管理方法を採用したほ場において生産すること。(一部,省略)

(2) 特別栽培農産物に係るガイドライン
第2 生産の原則
このガイドラインに基づく表示を行う農産物は,農業の自然循環機能の維持増進を図るため,化学合成された農薬及び肥料の使用を低減することを基本として,土壌の性質に由来する農地の生産力を発揮させるとともに,農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した栽培方法を採用して生産することを原則とする。(一部,省略)

(3) 持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律
第2条 この法律において「持続性の高い農業生産方式」とは,土壌の性質に由来する農地の生産力の維持増進その他良好な営農環境の確保に資すると認められる合理的な農業の生産方式であって,(一部,省略)

(4) 持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律の施行について
(農林水産省農産園芸局長・生産局長通知)
第3 今後の推進の方向
本法の目的として掲げている環境と調和のとれた農業生産の確保を図るためには,(以下,省略)

以上から分かるように,各制度は,環境負荷をできる限り低減した栽培方法による農業生産を推進するためのものであって,「食の安全性」を担保する制度ではない。

2 各制度において,「食の安全性」を謳うことの問題点
(1) 特別栽培農産物に係る表示ガイドラインQ&A
(平成20年6月,農林水産省消費・安全局表示・規格課)
(Q7)ガイドラインにおいて表示してはいけない用語はなんですか。
1.ガイドラインでは,消費者を誤認させるような用語・文字・絵等を,一括表示欄やその枠外に表示することは禁止されています。具体的な事項や用語は次のとおりです。
通常の栽培方法より栽培された農産物より著しく優良又は有利であると誤認させる用語(一部,省略)

以上のように,各制度の認証あるいは認定を受けているからといって,「安全な農産物」「この農産物は安全です」といった表示等を行うことは認められていない。
こうした表示等は,優良誤認の疑いを持たれる。このような表示等を続けた場合,各制度の認証あるいは認定の取り消しの可能性が生じるほか,優良誤認を疑われる掲示等は景品表示法違反の恐れがあり,公正取引委員会から排除命令を受ける恐れがある。


3 「農薬不使用」について
有機JASで使用が認められている農薬には,化学合成農薬が含まれる。また,特別栽培農産物は,化学合成された農薬である展着剤の使用は成分カウントしないこととなっている。
つまり,有機JAS及び特別栽培農産物は,厳密には「農薬不使用」を担保していない。
posted by itoh at 19:35| Comment(0) | TrackBack(1) | 環境,食品,農業 | 更新情報をチェックする
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タンボとハタケと: 有機JAS,特別栽培農産物及びエコファーマーについてのメモ
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