2011年04月13日

災害における行政対応の課題

今回の震災で,多くの疑問を感じたことがある。
それは,自宅避難者への対応だ。

この点は,特に津波被害の大きかった沿岸部の事例がマスメディアでも取り上げられたが,私のような,津波被害はなく地震による被害も大きくなかった地域に住む者にとっても生活に支障が生じた。
私の住む地域では,本震発生後1週間頃から,徐々にではあるがスーパーマーケットで食料を調達できるようになった。それまでは,小売店の多くは閉店し,一部で店頭販売,しかもカップラーメン数個を買うために,大行列に最大で数時間並ぶ必要があった。
先の見通せない物資不足が続く中,街全体が殺気立っていて,何が起こるか分からない雰囲気があった。
一方,私の地域の指定避難所では,震災翌日にはおにぎりや豚汁といった炊き出しが振る舞われていた。

水道は,私の住む地域では本震後3日後から少しずつ出るようになった。
本震翌日から指定避難所で給水所を設置したのだが,市町村が広報車等によるアナウンスを行わなかったため,指定避難所から離れている私の自宅近隣では,誰も給水所の設置を知らなかった。
給水量は,当初1家族2Lが原則とされた。供給能力の問題からこのような制限が行われたことは理解できるが,乳幼児のいる家庭ではかなり厳しい給水量と思われた。

震災翌日,私は偶然にも給水所設置を知ったので,指定避難所に自転車で行って飲料水をもらった。
その際,食料品の支給はないのか指定避難所の受付に聞いたところ,指定避難所に避難した人のみを対象とした炊き出しで,食料品の支給ないとの回答だった。
指定避難所のスタッフは,時間をもてあましている様子だった。
消防団などボランティアベースのスタッフも含まれていたとは思うが,指定避難所の運営に人的余裕があるのであれば,自宅避難者に対して,少なくとも給水所設置の広報をして欲しかった。

自宅が無事な場合,多少の食料は手元にあるだろう。しかし,電気,都市ガス,水道が完全にストップしていつ復旧するか全く分からず,一般店舗での購入もかなり難しい状況では,少量でも援助を受けられることが分かるだけで,精神的にかなり安心できる。
今回のような未曾有の大震災では行政機能がかなり麻痺したが,そうした中でも,多少とも行政サービスを提供できる地域では,可能な限り住民への支援態勢を示すことで,住民に落ち着いて行動できる精神的なゆとりをもたらすと思われる。

以上の点は,あくまで私が見た限りでの意見であり,私の知らない様々な事情があったとは思われるが,地域によっては行政がもう少しできることがあったのではないかと感じている。

またこれらは,被害の比較的少なくライフラインの復帰が早かった地域の状況である。
いまだに十分な支援を得られず,日々の食料を十分に確保できない自宅避難者や避難所があると聞いている。
まずはこうした住民に対して,少しでも早く物資を届けることが強く望まれる。

最後に,自宅避難者であっても,程度の違いはあれ,被災者であることに変わりはない。


いずれにしても,今回の震災を受け,災害時の行政対応については,抜本的に見直されるべきだろう。
この記事へのコメント
はじめまして。

アグリサイエンティストさんのブログの書き込みを見て、こちらにお邪魔しました。

塩害の問題、これからの東北の経済に大きく関わる問題ですよね。
今シーズン作付できるかどうかが雇用や地域経済に与える影響は多大ですよね。

我々もその改善に向けて様々な活動をしています。北海道の土壌改良の技術なども活用できればと思っています。
Posted by 林英邦 at 2011年04月16日 11:45
林さん,コメントありがとうございます。

除塩対策など,農地回復や農業再開に向け,被害確認から復旧へ向けて動き出しています。
これから様々な課題が具体化してくるものと思いますが,アドバイスお願いします。
Posted by tahata at 2011年04月16日 13:33
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