2012年12月19日

食品表示とSPS協定,TBT協定

山下一仁氏編著「食の安全と貿易−WTO・SPS協定の法と経済分析」124ページから引用。
我が国の「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」(JAS法)に基づく,飲食料品等が一定の品質や特別な生産方法で作られていることを保証する「JAS規格」制度(任意規格)や原材料,原産地などの品質に関する表示を義務付ける「品質表示基準」制度(強制規格)は食品の安全性に関するものではないのでSPS協定ではなくTBT協定の対象である。
SPS協定:衛生植物検疫措置に関する協定
TBT協定:貿易の技術的障害に関する協定

食品表示制度は,消費者保護を目的とする場合(TBT協定の対象)と食品の安全性を目的とする場合(SPS協定の対象)があり,一義的に食品の安全性を目的とするものではない。
この点について一般には認識のズレがあるため,食品表示に関する議論が深化しないように思う。或いは,一部の団体が,消費者保護と食品の安全性を故意に混同させ,議論をミスリードしようとしているのだろうか。
いずれにしても,食品の表示制度を食品の安全性と結びつけるだけの議論は,国際的には通用しないと言えるだろう。

なお,JAS規格には,有機JASも含まれる。
当blogで指摘しているように,有機JAS,特別栽培農産物,エコファーマーは,食品の安全性とは関係のなく,いわゆる環境保全型農業に関する認証・認定制度である。
posted by itoh at 21:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 環境,食品,農業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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