2012年12月27日

アメリカ合衆国からリンゴ火傷病が入ってきたら

WTOにおけるSPS協定において,もし輸入産品が原因で輸入国に人への健康被害や国内動植物への病気蔓延などの被害が生じた場合,その補償について関心があったが,「食の安全と貿易-WTO・SPS協定の法と経済分析」の中で,編著者でもある山下一仁氏が次のように解説されていた。
輸入国が輸出国の要求によりSPS措置を緩和・撤廃されて輸入国に松くい虫のような被害が生じても,現在のWTO制度の下では輸出国はその被害を賠償する必要はない。(中略)また,特定の病気に汚染された動植物を輸出した結果,輸出先国がその病気の汚染国となったとしても,輸出国は従来どおりその国に輸出することができる。加害国に対するペナルティがないのである。
(312ページ)

その上で山下氏は,次のような提案をしている。
科学的な証拠が明らかでない場合等において,かなりの蓋然性で加害国を特定できるときは当該国に厳格責任=無過失責任による賠償を求めるようなスキームを検討してはどうか。
(312ページ)

この山下氏の提案に,大いに賛成する。

なお「無過失責任」とはWikipediaによると,次のとおり。
無過失責任(むかしつせきにん)とは,不法行為において損害が生じた場合,加害者がその行為について故意・過失が無くても,損害賠償の責任を負うということである。

posted by itoh at 14:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 環境,食品,農業 | 更新情報をチェックする
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