2014年07月13日

ネオニコチノイドと一部の鳥集団の減少の関連

食品安全情報blog2014年7月11日のレビューから引用。

・ ネオニコチノイドと一部の鳥集団の減少の関連-専門家の反応

SMC

Neonicotinoids linked to decline in population of some birds – experts respond

July 10th, 2014.

http://www.sciencemediacentre.co.nz/2014/07/10/neonicotinoids-linked-to-decline-in-population-of-some-birds-experts-respond/

Natureに発表されたオランダの研究で農地に住む鳥の集団が、ネオニコチノイド汚染が最も高いところで最も激しく減少していることを見いだした。英国SMCが以下のコメントを集めた。

CABI上級科学者Dave Moore博士

この論文は効果的な代用品の必要性を再び示した。生物農薬の開発費用を増やすのがよい

Bayer CropScienceの上級環境毒性学者Raimund Grau博士

著者らの仮説や結論は基本的に2013年にvan Dijkらが発表したものと同じである。引用されているイミダクロプリドの地表水中濃度についてのデータは既に最近のVijverと van der Brinkの論文で反論されている。さらにイミダクロプリドの測定やマクロ無脊椎動物のモニタリングは同じ場所でも時期でもない。先の報告はオランダの認可機関Ctgbでも評価され因果関係を示すのには使えないと結論されている。水の濃度が高いことが食糧不足につながるという主張には根拠がない。リストに掲載されている鳥のほとんどが水棲昆虫を主要食糧とはしていない。たとえばヒバリは主に地上に住む甲虫や蜘蛛等を食べ、ツグミはミミズやカタツムリを食べる。

他の要因の検討もなされていない。著者のうち2人は2010年に「気候変動のせいで食糧が減ったことが渡り鳥の減少の主要因かもしれない」と結論している。論文に強いバイアスがあるのは明白だ。ただしイミダクロプリドに影響がある可能性はある。

Oxford大学Charles Godfray FRS教授

この研究は重要な疑問を提示した。しかし著者らも言っているように関連を見たもので方法論等については議論があるだろう。よりしっかりしたデータが必要である。

このNatureに発表されたEditorialについては,日本でも一般紙が取り上げていた。
イミダクロプリド剤は,日本で上市されて20年以上経つが,農地や農地周辺で鳥類が激しく減少しているのだろうか。私の知っている農地でイミダクロプリド剤が使用されていたとは限らないが,私の印象として,畑地や園地での鳥害は近年増加傾向にあるように感じている。

いずれにせよ,Charles Godfray氏の言うように,よりしっかりしたデータに基づいた議論を望みたい。


<参考リンク>
イミダクロプリド農薬抄録(農水省ウェブサイト)
農薬評価書 イミダクロプリド(厚労省ウェブサイト,PDFファイル178KB)
posted by itoh at 19:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 環境,食品,農業 | 更新情報をチェックする
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