2015年06月28日

東日本大震災と機能性表示食品制度

平成27年4月付けで、宮城県農業・園芸総合研究所の普及に移す技術第90号の参考資料に、「ホウレンソウのルテイン含有量を向上させる品種と寒締処理」(pdfファイル、180KB)が公表された。
これは、本blog(12)で以前取り上げた、農林水産省の東日本震災復興関連の目玉事業「食料生産基地再生のための先端技術展開事業」における「大規模施設園芸・露地園芸技術の実証研究」中の「生体調節機能成分を活用した野菜等の生産の技術実証」の成果の一つ。

栽培試験の結果を事実として報告しており、内容そのものに問題はないだろう。
ただ私は、この事業趣旨にもあるように、こうしたいわゆる機能性成分を高付加価値販売の材料として農産物の差別化販売を目指している点を問題視している。
「「健康食品」の安全性・有効性情報」のルテインに関する情報を見る限り、非常に興味深い成分である。但し、その効果を得るために、1回又1日にどの程度の量を摂取し、それをどの程度の期間継続しなければならないのか、その辺が具体的に示される必要があると考えるし、その具体的処方が現実的なものなのか、リスクトレードオフで他のリスクが増大しないのかといった総合的評価が検討されているのか、といった点で疑問を持つ。
この事業趣旨から、今後、こうした「成果」を基に、宮城県等の東日本大震災被災地において、生産現場を巻き込んだ差別化販売に向けた動きも具体化してくるものと思われる。おそらく、昨今問題が指摘されている、機能性表示食品制度を活用した動きになると想定される。
公的機関のいわば「お墨付き」を得たものとはいえ、果たしてそれが、付加価値相当の健康増進効果が期待できるのか、ただ美味しくホウレンソウを食べるだけではダメなのか、宮城県農業・園芸総合研究所や農林水産省には、こちらの期待に応えるような具体的情報を明示していくことを期待したい。
posted by itoh at 22:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 環境,食品,農業 | 更新情報をチェックする
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