2016年11月06日

核災害後の公衆衛生:放射線リスクを超えて(WHO紀要Vol.94から)

2016年11月2日食品安全情報blogのレビューで、WHO紀要Vol.94から「核災害後の公衆衛生:放射線リスクを超えて」が紹介されていた。食品安全情報blogでは、同様の論旨の論文等が度々取り上げられている。
とても重要な内容なので、レビュー全文を引用する。
括弧内はuneyama氏のコメント。
最後に紹介されているURL先の記事も、とても素晴らしい内容となっている。是非とも一読していただきたい。
Bulletin of the World Health Organization
Volume 94, Number 11, November 2016, 785-860
http://www.who.int/bulletin/volumes/94/11/en/

核災害後の公衆衛生:放射線リスクを超えて
Public health after a nuclear disaster: beyond radiation risks
Claire Leppold, Tetsuya Tanimoto & Masaharu Tsubokura
http://dx.doi.org/10.2471/BLT.15.168187
(筆頭著者のClaire Leppoldは南相馬市立総合病院 研究者)

日本の三重の災害から5年、災害後の福島県の健康についての簡単な概要を伝える

災害後放射線のリスクが注目されたが放射線による死亡や急性健康影響は報告されていない。2015年に発表された甲状腺がんの報告は科学コミュニティから批判されたが一般の人々全てには届かず、医療の専門家すら混乱している。放射線に関する議論が放射線以外の被害への無視につながっている。事故後の強制的避難と福島への社会的スティグマが健康に大きな影響を与えた。1986年のチェルノブイリ事故でも最も深刻な健康被害は精神衛生上の負担だった。福島も同じである。内部被曝がほとんどないのに比べて非伝染性疾患や精神衛生上の負担はあまりにも大きい。特に高齢者で顕著である。放射線暴露を減らすための避難と生活環境の変化は包括的リスク評価無しには正当化できない。福島から学ぶことはまだ多い。

(この人
福島と、「知る」という技術
http://www.huffingtonpost.jp/claire-leppold/fukushima-and-the-art-of-knowing_b_10538826.html
結局チェルノブイリの教訓は福島で生かせていない。ただこういう人が来て発信していることはとても素晴らしい。旧ソ連と違って情報は開示されている。)
posted by itoh at 22:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 環境,食品,農業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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