2015年08月01日

読書感想文:「栄養データはこう読む!」

「栄養データはこう読む!」を読了。
全体を通して感じたことは、食事に関連する治験は難しいな、ということ。そんな中、多くのデータを踏まえて一冊に纏めてある本書は、一読の価値大いに有り。最初はボリュームあって難しそうだなと思ったけど、案外スイスイと読み進められた。
その上で、幾つか本書を読んで思ったことを幾つか挙げておく。

第1章では、なぜ炭水化物及びアルコール飲料の過剰摂取で肥満を介さない経路で中性脂肪が上がるのか、もう少し解説が欲しいと思った。その理由がはっきりとは解明されていないのかもしれないが、それならそういう一言があっても良かったと思う。

朝食の話題では、doramaoさんが以前から言われてたことと同じで、やっぱりそうだよな、と再認識した。朝食を食べない事そのものより、その裏にある要因が問題、ということ。確か以前、uneyamaさんもblogで同じような事を指摘してたはず。こうした調査は、その結果をどう理解するか、改めて難しいと思った。

163ページに、「ダイエット:食べる? それとも 食べない?」というcolumnがある。dietの意味を知ったのは、8年位前に「dietary pesticides 99.9 all natural」を、辞書片手に苦労して読んだ時だった...。英語を始めとする外国語読解能力ゼロの私が、かなりの時間をかけて読んだだけの価値を、このBruce Ames先生の文献は持っている。専門に関係なく、"食"に関係する人全てが要チェック。もちろん、本書「栄養データはこう読む!」も同じ。

第4章に取り上げられている飲酒関連がんの死亡率では、犯罪やけがも挙げられているのが、この点は結構重要。この点を私が知ったのは、uneyamaさんのblogからだった。アルコールそのものの健康被害ももちろんだが、社会的な影響も十分に考慮しなければならない。飲酒運転による交通事故もその一つ。

ソフトドリンクの解説は、そうだよな・なるほどな、と改めて感じた。特に炭酸飲料と一緒に食べたい食品って、こうハッキリ指摘されると、何も言えない...。でも、cokeとフライドポテトやポテトチップス、この組み合わせは美味しい...。
ここで一点気になったのは、、ソフトドリンクの定義が食品衛生法の定義と異なっていたこと。食品衛生法では、乳酸菌飲料・乳及び乳製品を除く酒成分1容量%未満の飲料を清涼飲料水と定義されていて、これがソフトドリンクと解釈できると思う。

第6章冒頭の有機水銀の話は、内陸とはいえ元熊本県民として、複雑な思いで読んだ。私は、海岸部で産まれていれば水俣病患者になっていかたもしれない、そんな世代である。

本書の主題と異なる部分だが、219ページでイギリスやアイルランドの伝統的なビールと書かれていたことが、ビール好きの私としては気になった。エールビールは上面発酵ビールのことで、ラガービールがメインとなるまでは、ビールといえば殆どがエールビールだったはず。もちろん、ドイツやベルギーのビールも同じ。イギリスやアイルランドのみのビールではない。


色々と五月雨的に書いたが、「栄養データはこう読む!」で述べられていた点の概要の多くを知っていたのは、普段、食品安全情報blogをチェックしているお陰だと、改めて思った。
posted by itoh at 16:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 環境,食品,農業 | 更新情報をチェックする

2015年07月31日

読書感想文:"アンチ食育栄養士の食育BOOK!"

「乳幼児から高校生まで! 管理栄養士パパの 親子の食育BOOK (専門医ママの本・番外編)」を読み終えた。全体を通して分かり易く、子育て親向けに苦心されたのだなぁと思わせる書き振りだった。しかも数値データも示されていて、理解しやすい。
何より、全体を通じて「無理しなくていいんだよ」という雰囲気が伝わってきて、子どもの食事に悩んでいる親たちを、”ホッ”とさせるのではないだろうか。

本来であれば、「この本に書いてあること、既に知ってるよ!」という意味で期待外れと言われる社会になっていれば、それはそれで良いと思う。
ただ、現実は大きく異なるから、こうした本が絶対に必要。
posted by itoh at 20:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 環境,食品,農業 | 更新情報をチェックする

2015年07月26日

良書を読もう!

食品安全情報blog2015年7月25日エントリーに、本の紹介があった。
まず今日、doramaoさんの本を購入予定だが、いずれここで紹介されている本は全て読もうと思う。
本blogで何度書いていると思うが、こうした本は、農業関係者、特に行政の農業職職員も必読・必携だと思う。特に近年、行政が主体となって、6次産業や食品の機能性表示を販売に利用しようとする積極的な動きを起こしているのだから、自分たちの責任の所在を明らかにするためにも、きちんと学ぶべき内容。

しかし現実は異なり、”やり逃げ”的な手法で、販売促進になりそうだと思うと”イケイケ”で推進する一方、何か問題が起きると保健衛生部門へ丸投げし、場合によっては裏で圧力を掛けて自分たちの都合の悪い情報を外に出ないように画策する。
そういうコトを見聞きするたび、ウンザリする。
posted by itoh at 09:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 環境,食品,農業 | 更新情報をチェックする

2015年07月21日

コメに含まれる無機ヒ素の健康リスク

食品安全情報blog2015年6月22日及び24日レビューに、コメに含まれる無機ヒ素に関するBfRのレビューが4本紹介されている。

コメとコメ製品には高濃度の無機ヒ素が含まれる
コメとコメ製品のヒ素
コメとコメ製品のヒ素についてのQ&A
乳幼児や子どもを守るための摂取量助言によるコメとコメ製品中無機ヒ素の追加EU最大基準

コメに含まれる無機ヒ素の健康リスクについては、以前から、食品安全情報blog等で広く指摘されている。上記のレビューでも、
無機ヒ素の発がん性についてはリスクの増加と関連しない安全な摂取量は設定できないので、食品中の無機ヒ素化合物の量はできうる限り最小にすべき(ALARA)と考える。

と指摘されている。ただし、次のようなコメントも示されている。
しかしながらコメはバランスの取れた食生活の一部であり続けるべきである。食品を選ぶときには、消費者は多様で幅広い食生活をするようにという一般的助言に従うべきで、可能であれば穀物の種類をいろいろなものにすべきである。

農林水産省(地方自治体やJAグループ)のコメ消費拡大プロパガンダとは、全く逆の指摘であることに留意すべきだろう。
また、乳幼児のリスク軽減として、次の点が指摘されている。
保護者には、乳児や子どもに、ライスケーキやコメ粥/ライスフレークのようなコメベースの製品のみを与えないように、そうではなく他の種類の穀物と交互に与えるよう助言すべきである。

この点は、日本においても、もう少し注意を払われても良いのではないだろうか。
posted by itoh at 20:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 環境,食品,農業 | 更新情報をチェックする

妊娠中の飲酒研究

食品安全情報blog2015年7月9日レビューに、「妊娠中の飲酒研究-ニュースに」というものがあった。そのレビューの終わりに、uneyama氏の次のコメントが付いている。
(若い女性が妊娠するかもしれないからお酒は飲みませんなんて言えないから、飲酒を当然とするような雰囲気を変えないと)

私もアルコール飲料を嗜むが、決して他人に飲酒は強要しない。無理に飲酒しなくても構わないよう明言するし、そういう雰囲気作りに気を付けている。妊娠の可能性のある女性に限らず、様々な理由で飲酒を好まないのであれば、決して無理強いしないこと。
酒席じゃないと腹を割って話せないというのは、間違い。酒の有無に限らず、そうした雰囲気作りが大事。今でも、「酒席は腹を割って話せる場」と勘違いしている上司等が少なくない。そういう人との酒席は、私は却って疲れる。

あと、酒席で喫煙されるのも勘弁して欲しい。タバコの臭いが身体・服・持ち物(カバン等)に染み付いて気持ち悪いし、喉がいがらっぽくなって風邪に繋がったりする。職場の飲み会等で、極少数の喫煙者のために多くの参加者が迷惑していることを、喫煙者はいい加減気付いて欲しい。何故職場で分煙が勧められているのか、その問題の本質を理解していないのだろう。
posted by itoh at 20:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 環境,食品,農業 | 更新情報をチェックする